今後ASEANに
進出するには
ハラルの工場が必須。
私が就活をしていた頃はたいへんな就職氷河期で、日本国内での就職先がなかなか決まらなかったんです。ならばいっそ海外で就職しようと思い、大学卒業後にカナダとアメリカで英語を学び直し、国内では財務の勉強をしていました。そしてある商社に就職し、一度は海外で仕事をしていましたが、現地で起こった自然災害の影響でビジネスが立ち行かなくなって退職し帰国。しかし海外と関わる仕事がしたいという夢を捨てられず、人材会社から紹介されたのが日研フードでした。
入社後5年間は国内で輸出業務を担当していました。その中で気づいたのが、海外事業推進のためのハラル認証工場の必要性です。当時、日研フードにはハラルの工場がありませんでしたが、これから日研フードがASEANをはじめとするアジアのマーケットに拡販を行うには、ハラル認証の取得が絶対不可欠だったのです。そこで、すでに日研フードの販売会社があったタイに、ハラル専用の工場設立を提案。新しい取り組みだったため、当時は役員の中でもハラル工場の設立に消極的な意見もありましたが、多くの役員に何度も時間をかけて話をし、理解を得ていきました。そしてタイミングにも恵まれ、ハラル専用のタイ日研フードが設立されることになりました。
2010年にはタイ日研フードの立ち上げメンバーとしてタイに赴任。今でもよく「工場の立ち上げは、さぞ苦労したでしょう?」などと聞かれますが、タイには既に現地子会社があったためゼロからのスタートではありませんし、タイの人たちはとても親日的。助けられたことも多く、特に不安なく過ごすことができました。